ケアマネジャー(介護支援専門員) 過去問
令和6年度(第27回)
問49 (福祉サービスの知識等 問4)

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問題

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験 令和6年度(第27回) 問49(福祉サービスの知識等 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

ソーシャルワークにおける地域援助として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
  • 保健医療・福祉等の専門職のみによる地域の課題への対応
  • 地域の商店とNPOの協働による認知症カフェの設置・運営
  • 地域の高齢者が福祉サービスにアクセスしやすくなるための自治体への働きかけ
  • 被災者に対する支援のためのボランティアの組織化
  • 住民を交えたグループ活動における本人の了解を得ないままの参加者の氏名や顔写真の公表

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この過去問の解説 (3件)

01

地域援助(コミュニティー・ソーシャルワーク)についての問題です。地域援助という専門用語を用いていますが、専門職だけが行うことではなく、多様な住民参加によるソーシャルワークです。

選択肢1. 保健医療・福祉等の専門職のみによる地域の課題への対応

誤り

コミュニティー・ソーシャルワークの特徴として専門職と住民の協同が挙げられます。多様な住民の参加による地域課題への取り組みが地域福祉の実践と言えます。

選択肢2. 地域の商店とNPOの協働による認知症カフェの設置・運営

正しい

認知症カフェは選択肢1の説明を具体化したものになります。

選択肢3. 地域の高齢者が福祉サービスにアクセスしやすくなるための自治体への働きかけ

正しい

地域課題の解決には自治体を巻き込むことが重要です。自治体がかかわることで取り組みに予算が付く、補助金が給付される

ことがあり、運営の大きな力になります。選択肢2の認知症カフェも開催する「人材」が地域にあること、開催できる「予算」があることが継続の肝になります。

選択肢4. 被災者に対する支援のためのボランティアの組織化

正しい

組織化には専門職の連絡・調整の技術が必要となります。

選択肢5. 住民を交えたグループ活動における本人の了解を得ないままの参加者の氏名や顔写真の公表

誤り

ボランティア活動や趣味の活動などにおいても個人情報の扱いは慎重にすべきです。

本人の了解を得ないままの名前や顔写真の使用(個人情報の使用)はトラブルにもなりやすいです。

参考になった数39

02

ソーシャルワークにおける地域援助は、

生活の場となっている地域で展開され、

地域だけでなく個の支援も

一体的に行われます。

選択肢1. 保健医療・福祉等の専門職のみによる地域の課題への対応

地域援助では

保健医療・福祉等の専門職と

住民を含む非専門職が連携をとり

協働して地域の課題に対応することが

大切です。

選択肢2. 地域の商店とNPOの協働による認知症カフェの設置・運営

地域の商店とNPOの協働による

認知症カフェの設置・運営は、

保健医療・福祉等の専門職と

住民を含む非専門職が連携をとり

協働しているといえますので、

これは適切であると考えられます。

選択肢3. 地域の高齢者が福祉サービスにアクセスしやすくなるための自治体への働きかけ

地域の高齢者が福祉サービスに

アクセスしやすくなるために

自治体へ働きかけることにより、

高齢者自身が抱えている困りごとの解決に

動きやすくなるといえますので、

これは適切であると考えられます。

選択肢4. 被災者に対する支援のためのボランティアの組織化

被災者に対する支援のための

ボランティアの組織化により、

住民が地域の問題に

取り組めるようになりますので、

これは適切であると考えられます。

選択肢5. 住民を交えたグループ活動における本人の了解を得ないままの参加者の氏名や顔写真の公表

住民を交えたグループ活動は

住民主体の組織における活動といえますが、

本人の了解を得ないままの

参加者の氏名や顔写真の公表は、

個人保護の観点から適切ではないと

考えられます。

参考になった数10

03

ソーシャルワークにおける地域援助(コミュニティワーク)の具体的な活動内容や手法に関する設問です。

 

地域援助の具体的な手法

手法対象・内容具体例

コミュニティ・オーガニゼーション

 

地域住民や団体を組織化し、協力体制を作る認知症カフェ運営チームの構築
被災者支援ボランティアの組織化

ソーシャルアクション

 

地域や社会の問題改善を目指す活動

高齢者が福祉サービスにアクセスしやすくするための

自治体への働きかけ
啓発活動

社会資源の調整・開発

地域の制度やサービス、物的資源を整備・調整

 

地域包括支援センターによるサービス情報の整理
支援ネットワーク構築

選択肢1. 保健医療・福祉等の専門職のみによる地域の課題への対応

適切ではありません。
地域援助では、専門職だけでなく、課題の当事者である地域住民が主体的に参加し、その力を引き出していくプロセスが重要です。

選択肢2. 地域の商店とNPOの協働による認知症カフェの設置・運営

適切です。
地域の商店やNPOといった多様な社会資源を結びつけ(ネットワーク化)、認知症の人やその家族の居場所づくりという地域の新たな資源を開発する活動は、コミュニティ・オーガニゼーションと呼ばれる地域援助の代表的な実践例です。

選択肢3. 地域の高齢者が福祉サービスにアクセスしやすくなるための自治体への働きかけ

適切です。
地域に存在する制度的な課題(サービスへのアクセスのしにくさ等)を明らかにし、その改善を行政に働きかける活動は、ソーシャルアクション(政策提言)と呼ばれる地域援助の手法の一つです。

選択肢4. 被災者に対する支援のためのボランティアの組織化

適切です。
災害時などの地域の課題に対し、住民の自発的な力であるボランティアを組織化し、支援活動へとつなげていくことは、コミュニティ・オーガニゼーションと呼ばれる地域援助の重要な機能です。

選択肢5. 住民を交えたグループ活動における本人の了解を得ないままの参加者の氏名や顔写真の公表

適切ではありません。
本人の同意なく個人情報(氏名や顔写真)を公表することは、プライバシーの侵害にあたり、不適切な行為といえます。
 

まとめ

地域援助は、社会福祉援助の一つです。

下に社会福祉援助の種類についてまとめています。

 

社会福祉援助(ソーシャルワーク)の種類

種類対象活動例ポイント
個別援助(ミクロ)個人・家族
 

個別相談 

家庭訪問 

個人支援計画の作成

1対1の支援

対象と行為が明確なら「個別援助」

集団援助(メゾ)

グループ

特定集団

施設入所者グループのプログラム

家族交流会

サークル活動

複数人を対象とした活動

対象が集団かつ活動が共同の場合

地域援助(マクロ)

地域社会

組織

制度

地域支え合い活動の組織化

NPOによる地域ネットワーク構築

社会資源の調整

地域や制度に関わる広範囲の支援

対象は広域で、組織的・調整的支援


 

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