ケアマネジャー(介護支援専門員) 過去問
令和6年度(第27回)
問26 (保健医療サービスの知識等 問1)

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問題

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験 令和6年度(第27回) 問26(保健医療サービスの知識等 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

せん妄に関する次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
  • 日常生活における活動性が低下することがある。
  • 認知症を有する人は、せん妄を起こしやすい。
  • 治療は、誘因にかかわらず薬物治療を最優先とする。
  • せん妄の程度は、時間の経過とともに変化することがある。
  • 夜間にせん妄を起こす高齢者には、日中の睡眠を十分にとらせる。

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この過去問の解説 (3件)

01

せん妄に関する記述の正誤を問う問題です。せん妄とは、意識・注意の障害を伴い、急性に発症し、多様な精神症状を呈する症候群とされています。

選択肢1. 日常生活における活動性が低下することがある。

正しい

動作の緩慢さや感情の乏しさなども現れるため、活動性が低下したように見えることがあります。

選択肢2. 認知症を有する人は、せん妄を起こしやすい。

正しい

認知症とせん妄は厳密には区別されますが、認知症の人にも現れやすいです。

選択肢3. 治療は、誘因にかかわらず薬物治療を最優先とする。

誤り

誘因によって対処法が違います。薬剤の影響によるせん妄の可能性もあるため薬物療法が最優先されるとは限りません。

選択肢4. せん妄の程度は、時間の経過とともに変化することがある。

正しい

せん妄の特徴として急性であることが挙げられ、数日~数時間内で症状が変化します。

選択肢5. 夜間にせん妄を起こす高齢者には、日中の睡眠を十分にとらせる。

誤り

せん妄は一般的には夜間に悪化することが多です。そのため、夜間に良眠できるような対策が必要となります。日中の睡眠時間が多くなると夜間眠りにくくなり、せん妄が増悪するおそれがあります。

まとめ

高齢者によくみられる精神症状や精神疾患について基本的な事柄をおさえておくと正解しやすい問題です。

 

【せん妄の特徴・まとめ】

・発症が急性であること(数日~数時間)

・症状が多彩であること

・夜間に悪化しやすい

・思考がまとまらない

・意識レベルは高く過活動のこともあれば低く、活動性が低い場合もある

・幻視が現れることもある

・身体疾患からせん妄が現れることもある

・薬剤による影響が大きいこともある

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02

せん妄は、注意や理解、記憶などの機能が

急性、一過性に低下した状態です。

選択肢1. 日常生活における活動性が低下することがある。

せん妄には、活動が活発となるタイプのほか、

活動量が低下するタイプもあると

いわれています。

 

日常生活における活動性が

低下することがあるといえますので、

これは適切であると考えられます。

選択肢2. 認知症を有する人は、せん妄を起こしやすい。

認知症を有する人は、

せん妄を起こしやすいといわれていますので、

これは適切であると考えられます。

選択肢3. 治療は、誘因にかかわらず薬物治療を最優先とする。

せん妄の治療は、誘因に応じて行われます。

 

原因となる薬物により生じている場合は、

使用量を減量するなどします。

 

誘因への対応が困難な場合などは、

薬物療法を行います。

 

治療は、誘因にかかわらず薬物治療を

最優先とするのは適切ではないと

考えられます。

選択肢4. せん妄の程度は、時間の経過とともに変化することがある。

せん妄には、一過性であり、

変動するという特徴があります。

 

せん妄の程度は、時間の経過とともに

変化することがあるといえますので、

これは適切であると考えられます。

選択肢5. 夜間にせん妄を起こす高齢者には、日中の睡眠を十分にとらせる。

夜間にせん妄を起こす高齢者には、

日中の活動を増やすなど、

夜間に睡眠をとりやすいよう

生活リズムを整える支援をします。

 

日中の睡眠を十分にとらせることは

適切ではないと考えられます。

 

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03

高齢者に発症しやすい意識障害の一つである「せん妄」について、その症状、リスク因子、治療・ケアに関する基本的な知識を問う設問です。

選択肢1. 日常生活における活動性が低下することがある。

適切です。
せん妄の症状として、興奮して動き回る「過活動型」、逆にぼんやりして活動性が著しく低下する「低活動型」、両方の特徴が混在する「混合型」があります。
低活動型は見過ごされやすいため注意が必要です。

選択肢2. 認知症を有する人は、せん妄を起こしやすい。

適切です。
認知症はせん妄を発症する危険因子(準備因子)の1つです。
認知症があると、身体的な不調や環境の変化、薬剤の影響などをきっかけにせん妄を引き起こしやすくなります。

選択肢3. 治療は、誘因にかかわらず薬物治療を最優先とする。

適切ではありません。
せん妄の治療は、まず原因となっている身体疾患や薬剤などを特定し、その治療や中止を行うことが優先されます。
薬物治療は、非薬物的な対応(環境調整など)で効果がなく、興奮が激しい場合などに慎重に行われます。

選択肢4. せん妄の程度は、時間の経過とともに変化することがある。

適切です。
症状が1日の中で変動するのがせん妄の大きな特徴です。
特に、夕方から夜間にかけて症状が出現・悪化すること(夜間せん妄)が多くみられます。

選択肢5. 夜間にせん妄を起こす高齢者には、日中の睡眠を十分にとらせる。

適切ではありません。
日中に過度に睡眠をとると昼夜のリズムが乱れ、夜間の不眠や夜間せん妄を悪化させることがあります。
日中はできるだけ離床して活動を促し、夜間に安眠できる環境を整えることが、せん妄の予防・改善に必要です。
 

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